外国にルーツを持つ子どもにとって勉強よりも精神面のフォローが大事
- あちこち勉強会
- 2018年12月15日
- 読了時間: 3分
先日、元高校教諭の方と外国から来た子どもについて話すことがありました。
結論から言うと、
親の仕事や都合で日本に来たはいいが、母国語すら正確に話せなく、自分のアイデンティティ、つまり自分の中に血肉として流れている文化や思想がない状態で異文化を入れてしまうと子どもの心の中に混乱を生じさせるのではないか。そして、語学の問題だけでなく心の問題、人間の礎たるアイデンティティが構築されるどころか崩落の一途を辿ってしまうのではないか、というものです。
現在、来日してくる外国人の多くは中国人で現に川越市でボランティア活動をしているこの方は、中国から来た子どもたちをみて、勉強をする、しないの問題ではなく、アイデンティティの未確立からくる精神面の問題に目を向けるべきだと話していました。
家庭では、中華思想的な教育を勧めるが、学校や日常生活では、日本の文化、習慣を基準にしています。つまり、双方(家庭とその他の日常生活)が「然るべき」を教えるわけです。当然、このような境遇の子どもにとって何が正しく、何が正しくないのか、その場その場での判断ができない子どもにとっては大問題、大混乱です。
しかし、日本の教育は立ち止まることを許してはくれません。少なくとも制度的にはじっくりと考え、じっくりと自分と向き合う時間を作ってはくれません。
※教育現場の方々は、一所懸命行おうとしているとは思いますが。
じっくりと自分を作り上げる時間もないまま、小学生から中学生とエスカレーター形式で進級します。
そうして、高校進学を迎えます。失敗します。また苦しみます。
苦しみます。無限ループです。
そこで、外国にルーツを持つ子どもたちにとって大切なものは何か?ということを考えると以下のことかと考える。
1 文化同士のけんかをさせない(大人たちが)
日本の教育機関で教育をさせるならば、ある程度は「郷に入っては郷に従え」としてもらう
日本のルールは守るが、文化を押し付けない
2 地域誌にもっと外国と地域について考えさせるものを取り上げてもらう
ネガティブキャンペーンからの脱却、周囲の日本人が日本と他国の違いをもっと勉強する
3 日本語だけでなく少しで良いから英語以外の外国語にも興味を持つ
それには、中・高の授業に英語だけでなく第二外国語を導入する
4 学習支援では、学習を教えるだけでなく、雑談などを多分に導入し、精神面のフォローをしていく
これらが、外国をルーツに持つ子どもにとって大事な環境つくりだと考えます。
私たち日本人がもっと学習をして「ここは日本だから」、「日本では……」をなくし、「○○という国ではこうで、○○という国ではこうだよね、そして、ここではこうだよね」と多くの例を出して、
次回は、外国をルーツに持つ子どもの高校受験について(埼玉)です。
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